昔言われた事があります、食べ物は腐りかけが一番美味しいと。
現代では保存料が使われている事が多く腐るという事が中々少なくなってしまいました。
しかし、生肉、果物、野菜には保存料は使われていません。
腐りかけを使うなんてとんでもない!と思っている方も多いと思いますが実は腐りかけの方が美味しいというのは間違いではありません。
ただ、しっかり確認をしないと腐っている状態の物を食べる事になってしまうので注意です。
腐りかけが美味しい理由
腐ってしまい匂う、ぐちょぐちょになっているというのは論外です、食べてはいけません。
腐りかけが美味しいという言葉は、食べ物が勿体ないから無理くりに作られた言葉ではなくきちんとした意味があります。
腐りかけ=腐っているという意味ではなく熟成という意味でこの言葉は作られています。
熟成とは時間が経って使える状態になる事の意味です。
なので食べ物の熟成(腐りかけ)が美味しいという意味になります。
肉の熟成が何故美味しいのかというと前にも話したうま味成分です。
肉を熟成すると、肉自体の持つ酵素の働きによってタンパク質をアミノ酸に変化するのです。
前回話したグルタミン酸はアミノ酸の中の一つです。
肉や果物や野菜はこの熟成が最も美味しいタイミングでもあります。
肉の場合
肉の場合はドライエイジングという方法があります。
これは専用の熟成庫で温度や微生物を調整してゆっくり熟成させていく方法です。
当然一般の方はお持ちではないので当然できません。
なので湿度を管理しながら裸のまま冷蔵庫で管理する事で気軽に熟成肉を作る事ができます。
そして外側にカビが生えてくるくらいまで熟成させた後にまわりの悪くなった部分を切り落として食べると一番美味しい味になります。
この時、肉は大きなブロックの状態限定で、スーパーなどの小さなブロックや切り落とし等は絶対に辞めてください。
そして、できるだけすぐ食べきるようにしてください。
私たちが普段買うスライス系は薄いので冷蔵庫に数時間置くだけで大丈夫です。
何日も置く必要はありません。
また、脂が付いている霜降り肉は向いていません。
これは赤身は熟成しますが、脂は酸化する為からで、熟成させるのならば赤身肉が良いでしょう。
お肉は熟成された状態で販売はされていませんので少しだけ手間を加えてみるのもいいと思います。
ちなみに、飲食店のステーキ等で熟成を謳っていないお店は新しいお肉が使われているので熟成されている最高の状態のお肉という訳ではない場合があります。
野菜や果物の場合
野菜や果物の場合は新鮮な状態が一番風味と栄養が一番良いので、熟成が良いという訳ではありません。
野菜や果物は熟成されると甘味が増しますよね。
これは糖質が増えている訳ではなく、元々含まれている糖質が甘味を強く感じる糖質に変化しているだけです。
野菜と果物は根から栄養を吸収しますよね?
しかし、栽培された状態では栄養を摂取することはできません。
植物も細胞で成り立っている生き物で、栄養がないという事は細胞が死滅していきます。
この時に細胞の中のでんぷん質が糖に自己分解をする事によって甘味が増し、細胞をつなぎ合わせているペクチンを分解されることにより糖に変化します。
こうすることにより甘味の強い野菜や果物に変化します。
当然栄養価は低いので、栄養を求めるなら新鮮な内に召し上がってくださいね。
どちらも常温で数日置いておくだけなので非常に簡単です。
興味のある方は一度試してみるといいかもしれません。