動物園へ行くと観られるコアラ。
私もオーストラリアに行ったときにコアラを抱かせて貰いましたが非常に可愛く、思ったよりどっしりしていて爪も痛くなかったのが印象的です。
※ちなみに日本の動物園ではコアラを抱っこすることはできません。
オーストラリアでも州の規定で禁止されている所があるのでオーストラリアならどこでもコアラを抱っこできる訳ではありませんのでご注意を。
そんなコアラですが、1日を長時間睡眠に費やしています。
その時間なんと約20時間。
ナマケモノの睡眠時間はコアラの同等くらいですが、コアラの睡眠時間が長い理由は同じではありません。
コアラの睡眠時間が長い理由
コアラの主食はユーカリです。
ユーカリは非常に毒性が強く、以前にも話した山火事の原因になるほどです。
ガソリンツリーとも呼ばれているのがユーカリです。
そんな毒素満載のユーカリにはもちろん人間が接種しても毒です。
ユーカリにはシオネール・フェノール・タンニン・青酸配糖体が含まれており、シネオール、フェノール、タンニンは人間の場合過剰摂取しなければ害を及ぼすことはありません。
しかし、青酸配糖体の場合は過剰摂取じゃなくとも頭痛、めまい、吐き気、呼吸困難、昏睡などを引き起こします。
これはアジサイにも含まれておりますので、ご存じの方は多いのではないでしょうか?
さて、話を戻しますがコアラはユーカリの毒素を分解、消化する微生物を持っているのと、肝臓が強い事からユーカリを食べる事ができます。
しかし、毒素が強いために消化するだけでもかなりエネルギーを使用するので、睡眠という手段でエネルギーを蓄えているのです。
また、ユーカリは栄養価が非常に低いために睡眠でエネルギーを蓄えています。
つまりコアラが長時間寝ているのは栄養がない物を食べているから、ユーカリを食べても消化にエネルギーを使うから睡眠を沢山摂る事でエネルギーを確保しているのです。
コアラがユーカリを食べる理由
栄養もないし毒素が含まれているユーカリをなぜコアラは食べてしまうのでしょうか?
それはユーカリを他の動物が食べないからです。
コアラは強い生き物でもないですし、争うことはできません。
だからこそ誰も食べないユーカリを食べるという選択をしました。
まだ毒性に耐性のない子コアラは親の便を食べてユーカリの毒素を分解する微生物をもらいますよね。
なので親からもらった微生物で分解と消化をできるユーカリにしか対応していないと言われています。
加え、コアラはユーカリの若葉を非常に好みます。
我々人間とは違い、好まないものは食べませんし、その個体または一族が食べられるユーカリでないと食べられませんので動物園での飼育は中々困難だそうです。
ちなみにコアラはユーカリだけでなく他の植物も食べますし、なんと土も食べます。
土を食べるのはユーカリだけでは補えない鉄分やミネラルを摂取するためです。
その為に一度木の上から降りてわざわざ土を食べに行ったりします。
日本ではコアラを抱っこする事ができませんが、コアラのいる動物園はあまり多くないのでもし動物園で見かけたらよく見てみると面白いかもしれません。