【分解して見る、イヤホンから音が流れる仕組み】普段使っている物がどう動いているか見てみよう

たまたま断線したイヤホンを修理しようかなと思っていたので、ついでにそもそもイヤホンがどうやって音を鳴らしているかも確認してみる事にしました。

普段使っているのに仕組みが分かっていないなんて物もいっぱいありますが今回はイヤホンをやります。

近いうちにスマホも分解したいなーと思っています。

私は基本的に知的好奇心が強いのでこのような手段を取っていますが、修理や分解は個人ではやらない方がいいですし、二度と使えなくなる覚悟でやりましょう!

さて、今回はイヤホンを分解して音がどうやって耳まで伝わっているのかを見てみようというお話です。

 

 

イヤホンを分解していく

ではまず、ニッパーや配線を切る為の道具ハサミなどでも大丈夫ですが用意します。

ペンチが見つからなかったので今回は別の道具で代用していきます。

まずは使用するイヤホン。

SENNHEISERのIE60という古いイヤホンですが、当時2万円から3万円以内で購入しました。

現在は販売終了されており、音は良いのですが断線しやすいコードなのでオススメしません。

この部分のコードが剥き出しになっており恐らく別の場所ですが断線しています。

状態を見る為にとりあえずカットします。

もう後戻りはできません。

道具が揃っていない、自信のない方は自分でやらないようにしましょうね。

次にこの部分を取ります。

捻ると接着が弱まっていたので簡単に取れました。

ペンチが無かったのでハサミやニッパーの取っ手を使って挟んでいます。

そこまで力を入れずに挟むと分断できます。

こんな感じで簡単に分解できます。

接着が汚いですね・・・

かなり古い物なので接着剤も劣化しています。

次に下から押し出して中身を取り出します。

ここまで見て内部での断線は見られませんでした。

 

大まかな分解が完了しました。

金属部分は音を鳴らす為のドライバーユニットで、ここに技術が詰め込まれています。

結構簡単な構造ですが様々なパーツがついています。

ドライバーユニットをみてみましょう。

この写真だけで、穴が開いているのはドライバーで電磁石の代わり、左の中には膜のようになっている振動版と強力磁石がついています。

磁石が入っているのでピンセットにくっつきました。

かなり強力な磁力です。

見えにくいですが磁石の上に膜があります。

これはただの膜ではなく振動版という薄い透明なビニールのような見た目をしています。

磁石→膜(振動版)の順についているのにはしっかりとした理由があります。

そしてこちら。

ちょっと汚いですが、膜を破ってみると中にコイルが入っています。

これは非常に重要になります。

磁石とコイルが入っている事により音を発生させるのですが、まず音声デバイスからコードを通して電気信号が送られます。

この電気信号はいわば電流で、流れる電流の向きによってドライバーの電磁石と磁石が引き合ったり反発します。

写真にはドライバーがついていませんが本来はついているのでついている体です。

そして磁石が引き合ったり反発するとコイルに付着した膜を振動させます。

膜は振動版と呼ばれるものです。

この振動版が音となって伝わるわけです。

電流の向きが変わる間隔や電流の大きさが変わることで高温や低音、音量等が変わるのです。

振動版はφ数mmから60mmまであって非常に薄い膜状になっています。

厚さは人の髪の毛よりも薄く30μmとかなり薄い物もあります。

非常に細かな振動で音を作り出しているのです。

振動版の素材によって音質もさまざまであり会社によって様々です。

ちなみにですが、IHクッキングヒーターもコイルが利用されており、電流を流すことによって電磁誘導を起こし、金属の鍋を置くことで電気が流れて発熱する構造になっています。