【雨の匂い・お日様の匂い・海の匂い】それぞれの元ってなんの匂い?

雨が降るときに分かる雨の匂いだったり、雨上がりの匂い。

布団を干した後の匂いに海に来ると分かる磯の匂い。

呼称で呼ばれますが、名称で呼ばれる事はありません。

それぞれ具体的に何の匂いなのか知っていますか?

 

 

雨の匂い

雨の降り始めの匂いはペトリコール

雨が上がった後の匂いはゲオスミンと呼ばれています。

ペトリコールは空気中に含まれるカビや排気ガスなどが水と混ざり匂いの成分が気体となった物です。

ゲオスミンは土の中のバクテリアによって作り出される有機化合物の匂いです。

雨が降ると水が跳ねますよね?

この時に小さな泡となって跳ね返るのですが、その時に泡が弾け泡の中の土壌成分が噴出します。

そして風に乗って私たちの鼻へと運ばれているのです。

人の鼻はゲオスミンに対して敏感で、ちょっとした濃度でも匂いを感じる事ができます。

 

お日様の匂い

よく言われるのがお日様の匂いはダニの死骸の匂いですが、実は違います。

お日様の匂いの元はアルコール・脂肪酸・アルデヒドです。

このアルデヒドはフルーツに含まれていたり、乳製品にも含まれています。

なぜこのような成分が発生するのか?

それは太陽からくる紫外線です。

太陽の紫外線が綿などの主成分であるセルロースを少しだけ分解します。

セルロースは食物繊維でゴボウ等にも含まれていますね。

この分解する際に化学反応により生成されるのがこの3種なのです。

 

 

海の匂い

実は海外だとそこまで磯臭さを感じる事がありません。

海外旅行へ行かれた方は磯臭かった思い出はありますか?おそらくないと思います。

日本の海で感じる磯臭さの原因はトリメチルアミンジメチルスルフィドです。

トリメチルアミンは魚の腐敗臭です。

トリメチルアミンは水に溶けやすい性質なので魚が多い海ほど匂います。

なので実は良い匂いではないんですね。

ちなみにトリメチルアミンは特定悪臭物質という規制対象にもなっています。

ジメチルスルフィドはプランクトンによって作られる成分です。

日本はこのプランクトンが多いです。

ではなぜ日本はこんなにも匂いを発生させるプランクトンが多いのでしょうか?

海は川の水から流れてきますが、その際に山を通過します。

この時に山から染み出る植物性プランクトンが一緒に川から海へ流れ出します。

その植物性プランクトンを餌とするのが海のプランクトンです。

となれば必然と海のプランクトンが増えるのでジメチルスルフィドが増えるという訳です。

ちなみにジメチルスルフィドはミズゴケなどの苔からも作られるので川でも磯臭いと感じる事もあります。

元が分かるとあまり嗅ぎたくなくなるような話ですね。