【子どもと大人の聴力・聞こえ方の違い】

前回に続き子供の器官について大人の聴力についても交えてお話をしたいと思います。

我々の大人の当たり前に聞こえている事が子供はできません。

同じ人間ですがまだ未発達という事を忘れてはいけません、それは視覚もそうですが聴力も同じです。

だから子供が物事を聴いていなくても子供はこういった物という認識をしっかり持ってください。

人間なので言う事を聞かない事にイラついてしまう事もあります。

でも事前に知識があればしょうがないと理解する事も出来ますし、対策も取る事ができます。

 

 

子どもと大人の聴力の違い

生まれたての新生児の聴力は80歳程度の高度難聴辺りに区分されます。

これは大声で喋っている場所ほどではありませんが、騒がしいなと感じる場所、例えば飲食店やBGM程度は聞こえにくいというレベルです。

あくまで聞こえにくい程度なので実際には聞こえていますし、だからといって大声で接する必要はありません。

なので、囁き声等は全く聞こえないと考えていただいて大丈夫です。

1歳くらいでやっと大人と同じくらい聞き取れるくらいになります。

聞き取りにくいだけであって声質を理解する事はできますので、母親の声をしっかり認識する事はできているので話しかけても無駄という訳ではありません。

 

子どもは聴き分け能力が低い

騒音の中で目標の声を聴き分けて理解する能力、自分自身に関連性の高い情報を選択的に聴取するカクテルパーティー効果を私たちは自然と行う事ができますが、子供においてはそうはいきません。

騒音や雑音から聴き分ける能力が低い為にそれら騒音、雑音よりも5dB(デシベル)大きい音で伝えなくてはいけません。

たった5dBと思われるかもしれませんが、実際には約2倍の音量で伝えなくてはいけません。

そうでもしないと聴き分ける事ができないのです。

さらに、これは子供に限った話ではないのですが、私たち大人の多くは無意識に行っている事があります。

相手の話が少しくらい聞き取れない部分があってもいちいち聞き返さずに話の流れから推測したり、現在の状況、経験から自然に補ったりする事でそのまま会話を続けることができます。

しかし、子供にはそれができません。

経験や知識不足なのはありますが、聞こえなかった部分を補完することができません。

例えば今日は雨が降っています。

そんな時に子供に傘を持っていくように伝えようとします。

「今日は雨が降っているから傘を忘れずにね。」

この言葉の間に雑音や騒音が入った場合。

「今日は■が降っているから傘を■■■にね。」

大人の場合抜けた部分が聞こえなくとも、後の降っているという言葉と今日の天気から雨と推測し、傘=雨と認識し、最後の「にね」という言葉から相手の返答を待っている状態だったり、こうして欲しいと望んでいると無意識に理解します。

そうして傘を忘れないようにと勝手に推測しますよね。

子どもは咳やくしゃみ程度でも聞く言葉が遮断されるので、もしも騒音が入ってしまった場合は再度話してあげなければいけませんので注意が必要です。

 

 

大人の聴力の低下目安

逆に大人の聴力は何歳から衰えていくのでしょうか?

最初に80歳程度は新生児と同じ聴力と話しましたがどこから変化していくのでしょうか?

最初の低下は30歳辺りからです。

しかし、低下といっても微々たるもので、30歳で低下しているとは実感ができません。

40歳でもまだ健聴で普通に会話する分には聞こえないという事はないくらいです。

囁き声もまだ聞こえますし、そこまで気にすることはありません。

50歳になると少し聞こえづらくなってくる予兆が出てきます。

分類的にはまだ健聴なのですが、囁き声が聞こえにくいなーと感じてしまいます。

60歳になるとガクっと下がり、会話は問題ないのですが小さな物音等の聞き取りが怪しくなってきます。

意識しないと聞こえにくいと感じてきます。

70歳では自然音ですらかなり聞き取りにくくなってしまいます。

80歳になると騒がしい場所でも聞こえづらくなってしまい、重度の手前にある高度難聴になってしまいます。

もちろん個人差はありますがイヤホンで大音量で聴いたり、耳を休ませることである程度は予防する事ができるので年齢だからと言って諦めずに予防する癖をつけてみましょう。