犯罪を犯したけど時効だからもういいよね?と海外から日本へ帰ってくる。
そんな手口がホントにまかり通るのでしょうか?
だったら罪を犯したら海外へすぐ逃げればよくないですか?
そんな事が本当に許されるのでしょうか?
今回は意外と知られていない時効の条件について。
海外で時効になるまで待てばいい?
答えはNOです。
海外にいるからと言って時効まで待つことはできません。
実は海外にいると時効が停止します。
時計の針のようなもので海外に逃走中は止まってしまうのです。
なので海外に逃げたから時効まで待てばいい!というのは不可能なのです。
最短で時効を待つとしても侮辱罪の1年です。
1年間海外にいたからといっても無駄なあがきになります。
加え、殺人や強盗殺人などの上限が死刑であるものは公訴時効が廃止されました。
そりゃそうですよね。
人を殺めて時間が経てば問題ないなんて到底許される事ではありません。
上限が死刑でない他の罪でも時効が延長する場合もあります。
時効が停止する他の場合
- 起訴された場合
起訴された時時効は停止し、裁判が確定すると再び進行します。
共犯者がいる場合には同様に時効が停止します。
そうした管理をしっかりする事で過去の事件の共犯者が逮捕されるといったケースがあるのです。
- 犯人が逃げ隠れしている場合
犯人が逃げ隠れしていると起訴状を送る事ができません。
この時、控訴棄却の裁判、つまり有罪なのか無罪なのかをはっきりしないまま裁判を打ち切ってしまう制度があるのですが、起訴から控訴棄却までの間は時効が停止しています。
しかし、控訴棄却後は時効の針が進んでしまう為時効が成立するタイムリミットが迫ってしまいます。
それを防ぐために敢えて再び起訴を繰り返すといった方法をとり、時効を完成させないというケースを作り出すことができます。
時効がある理由とは?
そもそもなんで犯罪を犯したのに時効という物があるのか?
殺人等に時効はありませんが、殺人以下の犯罪でも被害者は心に深く傷を負いますし罪を償って欲しいのは当然の事ですよね。
- 時間の経過によって社会的影響が薄れてきてしまい、処罰の必要が小さくなってしまう事。
- 時間経過に伴い証拠が散逸し、適正な裁判ができなくなる。
- 長期に渡り処罰されない状態、犯人の立場を重視するべき。
2は分かりますが1はうーん・・・
社会的影響が薄れなければいいのでしょうか?
今はSNSもありますし薄れる事はないのでまた法律は変わりそうです。
3に関しては個人的にはありえませんね。
客観的に見るのならば犯人といえど国民の立場を重視したい気持ちは分かります。
しかし被害者の立場は?
犯人の立場を重視するのならば罪を償ってからの話だと私は思いますね。
ちなみに時効とはフランスの刑事法から導入されたもので、殺人等の時効が廃止されたのは平成22年の時です。
もしかしたら法律はまた厳しくなるかもしれませんので被害者の立場も踏まえて考えて欲しいですね。