私たちの住む日本は地震大国でもあり、同時に津波の災害に襲われやすいです。
実は日本は一番地震が起きている!という訳ではなく、中国やインドネシアが日本より上です。
地震等の災害時に起こるのは家の倒壊や逃げ遅れての孤立。
救助はどうしても即座に行う事はできません。
もしかしたら皆さんの中で、災害が落ち着いた後に救助に向かうなんて事があるかもしれません。
でも助ける為に行った事が大変な事になってしまうなんて事もありえるのです。
水分を与える際の注意点
救助を求めている人を見つけました。
被害者は脱水症状になっており水を欲しがっています。
この時大変だと思い水をすぐに渡すと思います。
しかし、脱水症状を引き起こしている人に水を与える時には注意が必要です。
一気に飲ませるのは体に負担がかかりますし、体内の電解質バランスを崩して体調不良を引き起こす場合があります。
また、冷えている水は美味しく感じてしまいますがこれもあまり良くはありません。
胃に負担がかかってしまうからです。
ただでさえ相手は体力が低下しています。
そんな中体の負担になる行為をしてしまうと今以上に弱ってしまうなんて事もあるので必ず飲ませる際には注意が必要です。
瓦礫から救助する際の注意点
瓦礫の下敷きになって助けを求める人がいたとします。
見かけたら急いで助けなきゃ!今すぐ瓦礫をどかします!と皆さんはきっと動くと思います。
しかし、これが最悪の結果に繋がる場合もあります。
挫滅症候群(ざめつしょうこうぐん)別名クラッシュ症候群とも呼ばれる症状。
阪神淡路大震災でも多くの方がこの症状になりました。
この症状は長時間重い物や瓦礫に挟まれていた後に救助された方が、数時間を経て様々なショック症状を引き起こし、最悪死亡します。
圧迫されることにより血液の循環が止まり、筋肉の障害が起きます。
その後再び血液が全身を巡る事が原因とされています。
簡単に説明すると、圧迫されていた事で筋肉の細胞膜が壊されます。
膜が壊される事により内容物の流出が起こるわけです。
そして再び血液が循環すると、血液と一緒に流出した内容物が全身に回るわけです。
筋肉の中にはカリウム等が入っており、そのカリウムが血液の中に入る事で血液の中のカリウム濃度が高くなります。
そして高カリウム血症などの症状が起こるのです。
助けたつもりが最悪の事態になってしまう事もあるのです。
挫滅症候群の対処法
まず発見した時に確認すべき点があります。
- 2時間以上挟まれていないか?
- 点々とした出血をしていないか?(点状出血)
- 挟まれた部分の感覚はあるか?
- 尿が茶褐色になっていないか?
これに1つでも該当したら挫滅症候群の可能性が高いです。
ただ、この時瓦礫をどかしたら危ない可能性があるわけです。
なので応急処置を行う事が大事になります。
- 経口補水、水を大量に飲ませる
- 止血帯を使って損傷部位付近を縛る
水を大量に飲ませる事で血液のカリウム等の濃度を下げるのが目的です。
止血帯、または布を使って損傷部位付近をきつく縛る事によって血液を巡らせない目的があります。
こうすることでカリウム等の拡散を防ぐことができますが、血液を止めるという事は壊死や麻痺を引き起こす可能性が非常に高いです。
究極の選択です。
助かっても壊死や麻痺等様々な後遺症を残す可能性がありますし、やらなければ死んでしまう可能性もあります。
かといって瓦礫に埋もれたまま放置はできません。
近辺に正常に機能している病院があるわけではありませんし、入院や手術が必要な症状なのでその場の判断が非常に困難になります。
このような状況に遭遇してしまう可能性は0ではありませんので覚えておきましょう。