よく地震が起きる前にこんな雲があった~等の報告をSNSで見ますよね。
他にも特殊な雲を見かけると地震雲だ!となる方も少なくはないはず。
しかし地震雲って本当に存在するのか?
存在するのならば雲を見つけたらすぐに避難をするなんて事になりますが、実際はそんな事をしている方はいませんよね。
今回は地震雲についてのお話。
地震雲は存在するのか?
存在しません。
そもそも雲というのは空気中の水分がまとまった小さい粒の集まりなので、地震が起きるからと言って空気中の水分に影響が出ると思いますか?
出ませんよね。
雲は海や地面の水分が蒸発して空気中のちりと混ざります。
その中で地震に影響して雲の形が変わるなんてことはあるのでしょうか?
基本的に雲は気圧や気温や様々な要因で雨雲や雷雲等が作られていますよね。
なので地震雲というのは存在しないのです。
ちゃんと名前のある変わった雲
これ地震雲じゃない?
軽い一言でも不安を煽ってしまいます。
なので変わった雲を見つけてもこれは地震雲ではないという認識が必要です。
例えばこういった雲も地震雲?と言われたりします。
これはうろこ雲(巻積雲)と呼ばれるもので、低気圧が近づいてきており、後に悪天候になりやすい雲です。
こちらは飛行機雲ですよね。
時間経過で形が歪になったりしたこの飛行機雲を地震雲と勘違いしてしまう場合もあります。
基本的にこのように線上の雲は飛行機雲なので地震雲ではありません。
何故飛行機が通った後に雲ができるのかと言うと上空の大気の温度は非常に冷たいです。
それも-10℃のレベルではありません。
なので、水蒸気が絶対にできない訳です。
それが飛行機から出る排気ガスによって水蒸気が生まれそれが氷の粒となって雲になります。
こんな大きな雲を見た事ある方は少数なので驚かれると思いますがこれも地震雲ではありません。
これはかなとこ雲と言います。
巨大な積乱雲がさらに発達してこのような大きな雲になります。
何故このような形になるのかと言うと雲の高さには限界があって、雲は成層圏には行けません。
なので成層圏が壁のような役割をして上に伸びた雲がぶつかってしまって横に広がるわけですね。
これは真珠母雲と言われる雲です。
とても綺麗ですよね。
しかしこの雲はオゾン層を破壊する化学反応を起こしてしまうとんでもない雲。
恐らく生涯見る事はないレベルの雲ですが、もし見つけても地震雲ではないので安心してください。
今後変わった雲を見つけたら写真に撮ってみて調べてみるのもまた面白いかもしれませんね。
ただ、地震雲というのは存在しないという事だけは覚えておいてくださいね。
SNSで発信する際には注意を。